顔変形にはパターンがあるⅡ

⑩鼻尖プレート

・プレートの状態、症状

 若いうちは周囲の組織と一体化していた鼻尖は、顔全体の変形と共に、孤立したエリアとなります。鼻が高さを失い窪み、それによって鼻尖周囲に窪みの線ができ、それが徐々に長くなることになります。この状態は、鼻の形に留まらず、顔全体の変形を固定する事になります。外観上も、鼻が大きくなり形が崩れたと、お客様のお悩みでも良くご相談を受ける内容です。大きくなる、形が団子の様になってきた、逆に痩せてきた、下がってきた、などの現象が起きます。

鼻尖には、たくさんの細かい鼻軟骨があります。なぜ細かいかと言うと、中心で硬い組織で固定してしまうと、微細な動きができないからです。鼻尖の軟骨で緩く固定しながらも動かす必要があります。

鼻の変形は、見た目以上に内部の軟骨がその位置を歪めています。歪んだまま、堆積した角層によって固定されることは、形や動きにとっては致命的で、形が崩れたまま動きにくくなることに繋がります。

また、鼻腔と言って内部に繋がる空洞部分は、若いうちは水平に表面へと繋がっていますが、鼻下垂と共に、その鼻腔はL字型に曲がって繋がり始めます。ところが、それに気づくことはほとんどありません。L字になると言うことは上顎骨側面に張り付くことになるのですが、その硬い張り付きをなぜ感じないかと言うと、垂直の上顎骨側面は、この現象が起きるとき顎を突き出した様な老人独特の姿勢、顔を前に出す、顎を突き出す、猫背になる等の現象が同時に起きるのであたかも垂直ではなく水平と感じるからです。

・動きへの影響

 上記の通り、鼻尖部の変形は、そのまま姿勢を崩す事になります。また、目や口を動かすにしても、鼻組織と歪んだままの連動となるので、顔をガクガク揺らしながら話したり、食事をしたりする事になります。

・苦痛

 鼻尖部は第1枝です。第1枝の一部が歪み固定してしまうので、第1枝全体、頭頂部、目頭、額の苦痛を常に感じてしまいす。また、副鼻腔の炎症の様な違和感を感じることもよくあります。頭部全体の血行不良にも繋がるので、思考がはっきりしない、細かいことが考えられない等の苦痛が生じ、それが常態化するとキレやすくなるなどの症状にも繋がります。

・原因

 鼻の角層の堆積が主な原因です。つまり、正常な皮膚の堆積量まで戻せないと言う意味で、洗顔不足です。洗うとは、汚れと垢の除去です。鼻はどうしてもその形状上洗い漏れが起きます。また、いくら洗ってみても、内部構造に歪みによる緊張があると、古い角層細胞は剥離することができません。この重複した原因が、鼻の形を歪ませます。

・改善プラン

 日常の丁寧な洗顔と同時に施術のアプローチ。形状を理解して、洗顔スキルを身につける必要あがあります。 

⑪口まわりプレート

・プレートの状態、症状

 ここの立体構造はコンパクトなエリア内で、厚みがあり盛り上がった状態です。その盛り上がりに支えられるように周囲の組織である、頬筋肉群、顎の筋肉群は成り立っています。

上顎の立体構造は、様々な組織と繋がっています。上は、上顎骨の下鼻道と一体となり鼻腔の側面としての役割と鼻中隔との支え合いです。横は、モダイオラスや頬筋群と立体構造を保ちます。下は、頤筋などと立体を保っています。

ところが、どこか1箇所でも歪みや偏位を起こすと、四方八方に歪みと窪みを起こさせ始めます。特に深刻な偏位を起こさせる原因となるのは、鼻とつながった部分です。柔らかい組織でありながらも、立体感を維持する重要な役割があるからです。この部分のわずかな変形でも、口のエリアを強い力で歪ませ広げる事になります。それと同時に、表面の皮膚の堆積による硬化と拡大がとても深刻な状態へと追い討ちをかけます。それによって、上顎の拡大、唇の縦皺、鼻の下が長くなる、などの現象が起きます。また、頤筋が変異した場合、下顎骨の配置がズレる事になります。それは、下顎骨をしっかり定位置に留める役割が、頤筋にはあるからです。

・動きへの影響

 口の小さく微妙な動きができなくなる、ガバガバと動き始める。また、変形と共に口の位置が下がる事で、動く位置はどんどん下がってしまいます。すると、笑った時などに、見える歯が上の歯ではなく下の歯が見える様になってしまいます。小鼻からくっきりとしたほうれい線ができます。

・苦痛

 気力がなくなったときなど、口が半開きになります。常に力んでおかないと、顎が下がってしまう様になり、力が抜けなくなります。頤筋が変異すると、下顎骨が下がったりして、顎関節症の様な違和感が常にあります。顔全体、特に目の周囲に緊張を慢性的に感じる様になり、これは常に皮膚が下方向に引っ張られてしまうからです。

・原因

 口から鼻に繋がる部分の皮膚は、長年の汚れや垢をきちんと落とし切れていません。それによって年齢と共に、小鼻から斜め下に硬い段差ができてしまい、亀裂型ほうれい線の原因となります。ほうれい線内側の皮膚の硬化と堆積が更に深刻化する原因です。

・改善プラン

 この部分は、特にしっかり洗顔する必要があります。変形タイプを見極めて、その改善プランに従って根気よく洗顔しましょう。また、細部に変形の癒着が強いのが口の周りです。施術で歪みを解除していきます。

⑫頬骨下プレート

・プレートの状態、症状

 頬骨の下に、斜め横に走る頬の窪み。頬とフェイスラインに、なだらかな一体感を崩す様に窪みが出来上がります。これは、ただ単に窪んだと言うだけでなく、下顎骨の下顎頭と筋突起が下がった事を意味していて、それによって顔が長くなります。脂性肌タイプに多く、毛穴の広がりやニキビができ、血行不良による治癒力低下の為、跡が残りやすくなります。

・動きへの影響

 顎関節が緩み、顎が一段下がっている場合が多いので、顎の動きがガクガクする。また、頬のなだらかな一体感がなく、口腔内部にも影響しているので、頬のゆるみとそれに伴う動きの歪さが目立つ。この部分は、三叉神経第2枝と第3枝の境目でもあり、第3枝が強い力で、斜め後ろに固定される事になるので、老人特有の前傾姿勢、肩の盛り上がりの原因になります。

・苦痛

 顎関節症によく見られる現象で、顎のだるさや力み感による不快感を訴える場合が多い。

・原因

 頬は、比較的なだらかで広いので、深部の整合性については気がつきにくいのですが、プレートがズレるとき、頬骨上の組織が頬骨下に移動する事になります。そこは、口腔粘膜で形状を支えているので、表層の皮膚と口腔の粘膜の面が転がる様に角度を変えるために起きる現象です。

・改善プラン

 先ずは、目のエリアをある程度、洗顔と施術で整える必要があります。それと並行して、丁寧なカタチ洗顔を段階的にアップさせて、その技術で解消していきます。

⑬フェイスラインプレート

・プレートの状態、症状

 本来であれば、頬から首まではなだらかな凹凸で続きます。ところが、フェイスラインにチューブ状のくっきりしたラインができ、それに並行する様に窪みが上下にできます。これによって、顔面では、全体的に斜め45度下に固定され、頬に波紋の様な縦皺ができ始めます。この場合、下顎骨の配置にズレが生じている場合が多いです。下側では、引き込まれる様な窪みができると同時に、首には張り付いた様な横ジワができ、もっとひどくなると縦皺もでき始めます。

・動きへの影響

 顎の動きが、突っ張った様な動きになります。また顔を前に突き出す老人独特の首を振り回す様な動き方にもなります。

・苦痛

 顎関節症、頭頂部の緊張、目が常に下に引っ張られている様な重さ、喉の奥の違和感などがあります。顔面の組織が肥大し、顔面が頭蓋上に収まらなくなるので、顔面組織は下顎骨を越えて首の方向に移動し起きる現象です。特に、頬、口筋肉群が、フェイスラインを超えるとき、硬い瘤状のしこりができます。

・改善プラン

 顔全体のサイズを、先ず整える必要があります。サイズを整えたとしても、首やフェイスライン上で既に皮膚の癒着を起こしているので、それにそくした洗顔の手法で、改善を図ります。フェイスラインは、三叉神経領域第3枝とC2エリアなので、この領域に存在する耳周囲の洗顔と施術も不可欠となります。

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