顔の形が体に影響/施術レポート
顔の皮膚。
それを触る施術を長年続けていると、不思議な体験に多く出会います。そのひとつが、顔のサイズが変わると身体が引き締まるという現象。
施術中、お客様からかけられた言葉。
「今、身体の右半分がムズムズと変わっているのが分かります」
「足腰やお腹の腫れぼったい重い違和感が無くなってます」
「なんか、左だけに重さを強く感じるんですけど」
これは顔の皮膚を触り始めると、お客様自身が体に変化を感じられたときの言葉です。
上の施術写真。左右は同じ写真で、右側は分かりやすく変化をラインで示したものです。
施術は、お客様の右半分(写真は左側)の顔のみ行い、体全体の右半分に起こった現象です。
左右を見比べてみて下さい。(左右を述べる場合は、写真での左右とします)
①フェイスラインの左がふっくらとして上がっている。
②首から腰までの左側が上がっている
③左側の足が細くなっている。
このような変化が、顔の皮膚を利用して形にアプローチすると起こるのです。施術途中、私の位置からも、その変化が明らかにわかります。
今回は、その変化を撮らせて頂きました。
右側の施術を行うと、同じようにコンパクトになって重心が上がるので、左右差があるのはほんの一瞬のタイミングです。
お顔もこの状態の時に、「一瞬のキメラ」と名付けているほど左右に違いがある瞬間です。
1枚の写真をセンターで切り離したもの。違いがさらにお分かりになると思います。
特に左右のお顔。左側の方が肌のハリ、ツヤがあり、若々しい。右側は、年老いた感がある。
この現象が施術中の短い時間内に起こるのです。このような現象を日々、体験すると、皮膚の未だ知られていない不思議なチカラを実感します。
この写真の施術内容は、顔の外側に向かって重心が流れていたので、中央に寄せるよう皮膚を誘導したものです。
これをイメージしやすくご説明すると、皮膚は平面ですがその皮下は立体的なものが、倒れているような状態です。
立体的なものとは、筋肉や脂肪などの総合です。
それが倒れると、見た目には、目・鼻・口などのパーツのラインやフェイスラインがぼやける。シャープさがなく、だらしない。ぎすぎすしい痩せの部分が目立つ。
などが見られ、これらも変形の状態のひとつです。
この倒れる状態は、大別すると顔を3つに分けた大きいブロック単位(三叉神経第1~3枝)で起こります。
そして、ひとつのブロックを起こすと、近接するブロックが連動するよう起き上がろうとする。
例えば、フェイスラインの皮下を起こすと、連動して首回りが起き上がろうとするのです。
施術写真の左側の首のラインがすっきりしているのを見て頂ければ、お分かりになると思います。
倒れていたものが起きるときの特徴として、「引き締まる」ということが言えます。通常、引き締まると、痩せるというイメージになりますが、この場合は逆で、起き上がる分、ふっくらするのです。
ふっくらして、引き締まる。
イメージしにくいかもしれませんが、皮膚が引き締まると土台となっている骨格の配置がおさまるので、ふっくらすると顔は小さくなり張りがでるのです。
これが、変形を正したときに現れる現象です。
「倒れていた内部の組織を起こす」という考え方は、正顔法独特の捉え方です。考え方が先にあった訳ではありません。ご紹介した施術写真でもお分かりのように、顔の施術で多くの不思議な現象を垣間見てきました。
皮膚の状態をコントロールし誘導すると、いくつものある現象が起こる。写真のように、強くでる方や動きが緩やかな方など、人により差異はありますが、必ずといっていいほど、何らかの変化が体全体に起こる。
その理由を追及する上で、あくまで仮説ではありますが構築した考え方が肌張力正顔法の理論であり、一言で表現すると、皮膚の誘導で「倒れて歪んだ内部の組織を起こす」というイメージです。
なぜ、顔の皮膚の施術が、様々な現象を起こすことができるのか?
その理由をイメージさせてくれるポイントを述べてみると、
①「身体は頭部の繰り返し」という発生学の視点
②皮膚は全身を覆っているがゆえに、その影響はトータルで全身に波及するということ
③皮膚は外界に接する唯一の臓器であるがゆえに、環境や扱い方に左右され、または心的要因で形状、質が変化してしまう
④上記に対し、皮膚は唯一、臓器の中で指で触ることができ、変化した形状、質を改善することができるということ
顔の施術による身体の変化
約1時間で体全体の重心が上がった例
1回の施術後の2か月間の変化。
不思議に思われるかもしれませんが、食事や運動量、体重は何も変わってはいません。元々されていた運動は、同じペースで続けられているだけです。
体の変化が分かる写真を繰り返し見ていて、ふと、思うことがあります。体形は、運動や食生活で形作られていきますが、もうひとつの要因として、皮膚のバランスもあるのではないか、ということ。脂肪がつく位置は、皮膚張力が大きく影響しているのではないかということです。
おなか回りなど、あまりお肉がついて欲しくない。でも内臓脂肪などで一回り大きくなってしまう。なぜ、内臓に脂肪がつくのか。大きい要因は、食生活。
それだけだろうか?
もしかすると、皮膚張力のバランスの崩れで重心が下がり、そのことも脂肪をつけてしまう要因なのかもしれない。骨格に歪みなく皮膚がフィットすれば、軽減されるのではないか。
顔の皮膚で、ウェストが細くなるような現象を何度も見ると、そのようなことも考えてしまいます。